7月5日まで、一週間。
- 中山 晴史
- 6月28日
- 読了時間: 3分
意外と、ことのほか、ご存知ない方も多い。それも私の業界で。まあ、インバウンドに4割程度以上依存していなければ、稼働率の落ち込みも4月以降にも見られず、お気づきにならない施設も多いのか。ことのほか、ご存知ない方が多い。また、一度、ネットニュースなどで見知っても、重要度を感じずに忘れ去ってしまわれているのか、言われて気が付く方も不思議に多い。まあ、業界次第ではまったくインバウンドには関係ないところもあるだろうが、宿泊業界では非常に大きな問題にもなっている。 敢えて、ここでは作者の名前は差し控えるが、ある日本人の漫画家の方による夢というか、それが予言とされてしまったことからか、また、過去にも実績(笑)があるため、信頼性が高いと考えられているのか、来週に迫った7月5日に何かが起こるらしい。場所的には日本からフィリピンにかけて、海底で噴火が起き、それにより津波が発生するというもの。その話がSNS等で拡散したわけだが、特に香港や台湾からの来日観光客の出足を削いでいる。ただ、もともとは1999年の出版物に書かれた話で、その時点では25年も先の話ですねとなっていたのか。Back to the Future もすでに過去の話ですが、光陰矢の如し。 出版社も著者も否定はしているのだが、「過去の実績」もあれば、香港の風水易者も予言しているなどの、怪しい情報も跋扈している。たかだか、夢の話と発信者側は弁明したとしても、事実、大きな影響がインバウンドビジネスにはお気ている。香港や台湾からの航空便が減便されたりもしており、宿泊業界にはキャンセルが多数、寄せられている。成田のホテルで調査したところ、香港のキャセイ航空は鹿児島便を休止していたり、成田便もCAのシフトが減員されている。 迷信深いといっていいのかわからないが、昔から香港や東南アジアの華僑の方々は数字にこだわる面もあった。例えば、客室番号はなるべく「8」という数字が入っている部屋を希望したり、風水による方角なども気にされる面もあった。いずれにしても、SNSの剛力でインバウンドビジネスにさえ、このような影響が出ており、それも航空機の搭乗者数やホテルの稼働率に如実に影響が出ている。ノストラダムスの場合はそれほど、ホテルの稼働率に影響はなかったように記憶していますが、その時代とはSNSの存在という点で大きく違いも出ています。 何も金融機関や親会社などへの月次報告などでの言い訳にすればいいというわけではないが、実際にエリアミックスをPMSなどで検証する習慣のある宿泊施設ならば、数値に明確に表れているはず。仮に、来週の土曜日に何もなかったとしても、我々の業界では即、マーケットが復活するわけではない。つまり、いきなり6日から予約が戻るわけでもないし、特に香港や台湾エリアのマーケットが「様子見」となれば、7月中は稼働は戻らないと予想される。8月には国内マーケットが動いてくれるわけだが、それでも、プラスアルファ的存在のインバウンドが戻らない以上、第二四半期の売上も厳しいと予想すべきと思う。
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