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吉村知事に物申す

  • 晴史 中山
  • 11月23日
  • 読了時間: 4分

2025年10月までの訪日外国人観光客分析
2025年10月までの訪日外国人観光客分析

今日の「ビートたけしのテレビタックル」において、大阪の吉村知事が高市総理の台湾問題についての発言が観光業界に与えている影響についてコメントした。総理が発言を撤回するか否かについてはその後、必要なしと明言しているが、宿泊業界に対してはこれによる影響についての対策をありがたくも教えてくれた。 「宿泊業界が中国に依存せずとも成り立つビジネスモデルを構築すればいい」と。


正直、「バカ言ってんじゃない」と言いたい。こういう発言は無能なコンサルタントがよく言うセリフで、それぞれの施設やエリアや業界が全くまともなマーケティングをしていないかのような思い込みによる発言と感じる。10月までの訪日外国人旅行者はおよそ390万人。

これはすでに昨年一年間の数値を上回っている。ただ、それでもこの動きには7月を前にしてブレーキがかかった。いわゆる7月5日問題で、「台湾から日本にかけて何かが起こる」というようなまさに余計な発言(記述)が漫画の世界であったためで、二人の女性の余計な発言で今年の宿泊業界は打撃を受けたことになる。

390万人の内訳は(人数数値は切り上げ)、 ①韓国87万人(22.3%)②中国72万人(18.5%)③台湾60万人(15.4%)

④米国34万人(8.7%)⑤香港20万人(5.1%)⑥タイ13万人(3.3%) その他104万人(26.7%) となっている。一方、国内宿泊施設の10月までの平均稼働率は60%。内訳は、 旅館 32% ビジネスホテル 66.6% シティホテル 67.1% リゾートホテル 63.5%

 ㊟稼働率は申告によるものなので、実数とは異なる可能性がある。また、旅館は肌感覚では、ちょっと、低すぎるとも思える。


となっており、その中でも旅館業が非常に厳しく、7月5日問題もあり、天候問題、果ては、熊問題も少なからず影響があり、週末や特別期間(お盆など)を除いては低稼働に喘いでいる。特に新幹線や大都市圏からのアクセスが悪いとさらに深刻。そしてそのような状況でも多くの施設がOTAの管理や価格調整に腐心し、さまざまなマーケット手法に取り組んでいる中で、「依存しないビジネスモデル」と簡単に言われても「バカ言ってんじゃない」と言いたくなる。 マーケットのエリア依存度はそれぞれで異なるものでもあるが、仮に中国と香港の合計%、つまり23.6%のポーションが欠落すると、大雑把にいって25%近く稼働が落ちることになる。およそ、24%という稼働率。これでは完全に採算ラインも割ってしまう。翻って、確かに業界として反省すべき構造的な問題点や伝統的な悪習慣、IT化の遅れなどは認めざるを得ない。ただ、我々の商売はお客さんが来ない限りは成立せず、いかに安くしようが、つまりプライスコントロールをしようがマーケットが縮小すればどうしようもない。 宿泊業界には昔から季節波動と曜日波動に悩まされてきた。さらに季節波動は天候にも大きく左右されるし、曜日もまたしかり。「台風がだからキャンセルします」と当日に言われても、キャンセル料がなかなか取れないという悪習慣というべきか、問題点もある。宿泊業は当日限りの賞味期限の生ケーキであって、ただ、ビジネスホテルなどではコンビニのように当日売れない場合は「30%OFF」とシールを貼れば売れるものでもない。特に一泊二食で、食事形態がブッフェ(バイキング)でない場合は当日の予約が取れないという構造上のハードルもある(一泊朝食とか素泊りも取ろうとしていますよ!)。

様々、言い訳がましい言質となりましたが、日々、どのようにして稼働を上げるかに心を砕いている真っ当な宿泊業界人に、単に依存しないビジネスモデルを作ればいいとは、絶対に言うべきでない。今年は天候以外にも障害となる発言が二つもあったわけで、7月5日に何もなかったからといって、6日からいきなり稼働があがるわけでもなく、お盆までは旅館業界は苦しんだ。また、今日あたりには中国サイドからも音便化に向かいそうな発言も出てきているようだが、おそらく来年の中国の旧正月まではマーケットは回復しないと考えるべきかもしれない。 依存しないビジネスモデルを考えますか。

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宿泊業界へのいじめ問題

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7月5日まで、一週間。

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