ホテル業界におけるシステム障害
最近のニュースによく登場するネタが不正アクセスによるシステム障害だ。アサヒビールやニチレイなどのケースが有名だが、それ以外にもかなりの企業で障害が起きている。実際のカスタマーサイドへの影響は数値化されているわけではないが、個人情報の流出に歯止めが利かない。その影響でセキュリティもどんどん厳しくなり、サイトを開くにも何度も身分確認を要求され、「手間がかかる」ばかり。
私の業界でも先ごろ、システム障害の事例が発生した。一般のお客様にはなじみのないソフトウエアであるが、ネット予約を包括的に管理することができる、その名はサイトコントローラー。昔は各ネットエージェントごとに一つ一つ、管理画面を開いて作業をしなければならなかったが、このサイトコントローラーの出現で「手間」がかからなくなった。今回の事例では、お客様に不信なメールが届いたり、予約の確認を求められたりしたようで、直接的な被害はまだないのかもしれない。
その障害があった企業も9月28日にプレスリリースを出した。その企業はサイトコントローラーでは老舗の「手間いらず」。まさに、一つ一つ管理する手間がかからない「手間いらず」で、同様のソフトウエアでは、TLリンカーンやねっぱんというものもあり、ほぼ、これら三つでほとんどの宿泊施設を網羅しているのではないか。また、このソフトウエアは現代の宿泊施設運営では欠くことのできない存在で、フロント業務の効率化にもなくてはならないものだ。このサイトコントローラーとフロントシステム(PMS)がないと時代遅れと言われかねない。 プレスリリースを知ったのは、実は、私の身近で予約した覚えのない予約が入っていたという事例があり、その相談を受けたからだ。調べてみると、北海道への旅行をするために、いくつかの予約サイトでホテル調べをしたそうだ。その中で外資系の予約サイトで予約はしていないにもかかわらず、「勝手に」予約が入っていた。しかも、二つのホテルに。さらに片方のホテルでは同時に二つの予約が同名、同人数、同日程で入っていた。これに気が付いたのは9月15日頃。同じホテルに二度予約することはまま、あるかもしれないとしても、同時期に別のホテルにも予約が入るなどという例は、「誤って」の域を超えている。
さらに話が複雑になってしまったのは、その予約が「返金不可」プランだったこともある。予約サイト側もホテルの許可が必要とするし、ホテル側は予約サイトの問題だと主張する。クレジットカード決済はまだ行われていなかったため、実害はないと思われるが、それでもホテル側やサイト側との交渉にかなりの時間も要した。その後、プレスリリースが出たし、当該ホテルでの「手間いらず」の使用もわかったため、サイトコントローラーゆえの問題としてキャンセル処理はできたようだ。件の大手企業での障害ほどではないにしろ、このような形で予約していない予約が存在すると、中小規模の施設では死活問題になる。 最近では旅館であっても予約の70%前後がネットから入ってくる時代であり、そのネットを包括的に管理できるサイトコントローラーが暴走すれば、オーバーブッキングなども起きかねない。楽すれば(手間がなければ)苦あり、とならないように願いたい。



コメント